今回は、2月末に発売されたカニのエコバッグのお話しです。
そもそもこのエコバッグのスタートは3年前!
福井市と包括連携協定を結んでいる共立女子大学建築・デザイン学部デザインコースの田中ゼミと福田ゼミの生徒たちが、北陸新幹線の開通プロモーションに対する商品開発の研究を行なったことからはじまります。
共立女子大学の学生が、福井県、そして、北陸新幹線開通についてイメージできるために、福井県でのゼミ合宿も行われ、いくつかの福井に関するユニークな商品(ノベルティ)が企画されました。
配布し、福井への関心を高めてもらうためのノベルティということで、各チームが配布するターゲットや場所、デザイン、商品まで全てを考え、プレゼンテーションを行いました。全ての企画商品が素晴らしく、甲乙つけ難い中、残念ながら、こちらの「カニエコバッグ」は選ばれませんでした。
カニエコバッグは、見た目のかわいさも含め、物を入れた時にもハサミや足が形を残し、まさに越前蟹を持ち歩いているような存在感もありました。そして、畳んだ時にもカニの目がボタンとなって、かわいさが持続します。
プレゼンように作られたカニのエコバッグ。
そんなカニバッグを大学側から、福井県の誇る繊維で商品化できないかと、福井市東京事務所に連絡をいただき、このカニのエコバッグの商品化が進みだしたそうです。
そして、福井市東京事務所のマッチングコーディネーター村山さんから、エーデパで「カニエコバッグ」を販売してくれませんか???と連絡があったのは、確か去年の春頃。テレビで大学生と行政が共同で取り組む企画商品ということで、このカニバッグが取り上げられるんです!とやや興奮気味でご連絡いただいたのを覚えています。ただ、よくよくお聞きするとまだいくつかサンプルがある状態で、福井市の荒川レース工業さんが福井のレースを使ってこのカニバッグを作られるということが決まったということ。
学生さんたちが荒川レース工業さんを訪れ、生地を選んでいる様子
染める前の生地でサンプルを確認中。
荒川専務とサンプルを見ながら、改良検討中!茹で上がったカニの色を意識
すごい期待値のまま待つこと約10ヶ月。ようやく、この共立女子大学と福井市、荒川レース工業さんの想いが詰まった「カニエコバッグ」がデビューいたしました。学生の企画案をもとに、荒川レース工業の荒川専務のアドバイスで、デットストックになっていた生地を茹でた蟹のように赤く染め上げ、A4サイズも入るサイズ、持ち手も持つ人に合わせて調整できるような長さにして、使いやすさも兼ね揃えたものに変更したそうです。
パッケージには日本海と越前水仙のイラスト
開くとかわいいつぶらな瞳が!両側には越前蟹の秘密のお話も書かれています。
念願のカニのエコバッグ完成品。ハサミの部分を結んで長さを調節できます!
大きさや持ち手の長さを改良して作られた完成品。荒川レース工業荒川専務。
今年2月に行われた葛西臨海公園の「水仙まつり」で福井市の物産展ブースの中で、「カニエコバッグ」初売りデビュー。パッケージには、越前蟹についてのお話が書かれ、日本海の海の様子が描かれ、そこから取り出すのが躊躇われるほど。蓋をそっと開けるときれいに入り畳まれたカニの黒い目が二つ。
共立女子大学と福井市、そして福井市の企業荒川レース工業さん。3つを繋げるところから商品化まで携わってこられた福井市東京事務所の村山さんは、「他にない商品が出来上がったことが嬉しい。かわいくて少し面白さもあるこの商品をたくさんの人に知っていただきたい。水仙まつりにもSNSの発信を見て、この「カニエコバッグ」を目当てに来られた方もいらっしゃいましたよ」ととても嬉しそうな笑顔で話をしてくださいました。
福井市東京事務所の皆様、左からマーケティングコーディネーター村山匡代さん、東京事務所所長 重永義之さん、副主幹 川端太郎さん
そして、学生さんたちがプレゼンした当時のリーフレットを見せていただきました。
学生さんたちの「カニエコバッグ」の説明には、福井市のキャッチフレーズ
“いまの時代、自分からアピールしなきゃ!”の言葉に因んだ越前蟹のエコバッグ。
と書かれていました。
学生の皆さんはもう少し前向きな表現のつもりだったかもしれませんが、
私はまさに、奥ゆかしいと言われる福井県民性
「黙ってしな〜っと(福井弁)持ち歩いて、しっかりアピールしてみての〜。」
にぴったりな素敵な商品だなと感じています。
新幹線プロモーションにちなんだノベルティ企画案のリーフレット。素敵な案がたくさん。
【福井市東京事務所】
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五十嵐郁子
1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。福井市応援隊サポーター。